哀しみの軍艦巻き Day:2012.03.22 05:55 Cat:にゃうとの日常 |w・)ノ おはようございます。pekoです。私の相方のにゃうが書いた懐かしい記事を見つけたので投稿してみました今回はイラストは全く関係のない話ですが読んでいただけると嬉しいですよろしければ続きをどうぞ 哀しみの軍艦巻き: にゃう回転寿司のくら寿司に行ってきました。僕は田舎の海っぺりで育ったもんで、どうも回転寿司ってのは足が向かなかったんだけど行ってみたらけっこう楽しいっすねえ回転寿司。1皿100円。安いですねえ。お財布にもやさしいです。いろんなお寿司が流れてきます。えび、いか、マグロというおなじみのネタからオニオンサーモン、えびアボガドなんてカタカナ寿司。海苔を使った軍艦巻きにはハンバーグや牛すき焼きなんてのも流れてきます。そんな中、僕の目の前にハンバーグがシャリから転がり落ちている軍艦巻きが流れてきた。まわりを囲んでいる海苔が湿り気を帯び、ぐったりとしてしまいハンバーグを支えきれなくなってしまったのだろう。軍艦巻きのネタと言えば、これは艦橋部分と同義である。つまりこのハンバーグの軍艦巻きは艦橋部分大破のまま航行しているというわけだ。ほぼ撃沈である。いくつもの警告灯がまるで自己主張するかのように点滅していた。警報音も鳴りっぱなしだ。爆発による突き上げるような衝撃こそいくぶん治まってきたが、艦橋右舷にくらった直撃弾はすでに満身創痍だったこの艦の機能を止めるには充分すぎるものだった。「艦長! 副砲大破! 第2艦橋からの応答も途絶えました!」「安藤、全艦に退艦命令」「艦長、本艦はまだ――」戦う能力が残されていないのは明らかだった。悔しいが言葉の先が出てこない。「急げ!」安藤は何かを振り切るように送話機を掴むとスイッチを入れた。「総員に告ぐ! 現在我が艦は甚大な損傷を受け戦闘はおろか、航行することも困難な状況となっている。総員、速やかに退艦せよ! 繰り返す。総員、退艦せよ!」あふれる涙をこらえ、送話機を置く。「安藤、お前もだ」「艦長はどうするおつもりですか」「私は残る」安藤は胸を張り毅然とした態度で言い放った。「それでは自分も残ります」艦長は、予想していたのだろう。そんな安藤を見て困ったように微笑んだ。「お前も残ってどうする」「自分もこの艦と共に――」「安藤、お前はまだ若い。この戦争は負ける。だが国は残る。残された国を支えていくのはお前たちのような若者たちだ。お前が死ぬのはまだ早い」「しかし――」「なあ、安藤。最期ぐらい俺に華を持たせちゃあくれないか」「艦長……」――なんてドラマがあったのかもしれない。「ないから」というpekoの言葉はドラマに浸っている僕には届かない。目の前を静かに通り過ぎていく軍艦巻き。僕はだんだん小さくなっていく軍艦巻きに、心の中で敬礼をした。ブログ村ランキング参加中ですポチッと押して頂けると喜びますにほんブログ村 URL Comment(2)Trackback(1)Edit